第92回(2022/05/09)
新しい片頭痛のお薬の続報です!!以前の院長コラムで新しい片頭痛の頓服薬が出るとのお話をしました。その詳細が分かってきたので、今回はこのお話をしますね。
まずお薬の名前はレイボーです。レイボーは片頭痛を起こしている脳の神経のセロトニンレセプターの1Fに直接働き、片頭痛を起こす物質の放出を抑えるお薬です。
これまでもイミグラン、マクサルト、ゾーミック、レルパックス、アマージなどの片頭痛専用の頓服薬であるトリプタン製剤がありましたが、これらはセロトニンの1B,1Dというレセプターに作用するお薬でした。ただ、この1Bレセプターは血管にもあるため、血管が収縮する作用があり、トリプタンを飲んだあとに胸が締め付けられるような副作用などが出る人もあり、狭心症などの心疾患がある人には使用できないお薬でした。
トリプタン製剤が出てからこの20年間、片頭痛に対する新しい飲み薬は出てこなかったのですが、約20年ぶりに、ついに血管の副作用がなく、心疾患の持病がある方でも使用できるお薬が出たという事になります。
またトリプタン製剤では頭痛発症早期に飲まないと効果が出づらく、飲むタイミングが難しいという意見も頂いていましたが、このレイボーは頭痛発症4時間以内の投与であれば効果があることが分かっています。つまり痛くなってから飲んでも効果があるということです。仕事中や運転中ですぐに薬が飲めなかった人にも服用しやすいお薬だと言えると思います。また効果は24時間持続するため、頭痛がぶり返す可能性も低くなっています。
気になる副作用ですが、胸のしめつけるような副作用はないのですが、めまいや眠気の副作用が報告されています。そのため、レイボーの通常容量は100mg なのですが、50mg 錠もあり、50mg から最大200mg まで内服する事ができます。そのため、内服後の効果、副作用をご相談いただければ、適容量を調整させていただきます。
値段は50mg 錠で324.7円、100mg 錠で570.9円です。20年前にトリプタン製剤の値段が1錠800円近くしたことから比べると、この値段は安いと思いました。
トリプタン製剤も発売から年数が経ち、ジェネリック薬品も出てきたことから現在は当時と比べ大分安くなってきております。これまでのトリプタン製剤が効かない、あるいは副作用が出て使用できなかった人でもこの新しいお薬を試したい方はご遠慮なくご相談ください。
実際に処方できるのは6月中旬を予定しております。実際の発売日が決まりましたら、またYou TubeやInstagramでもお知らせします。最後に今月のYou Tubeの放送予定を載せておきますので、ぜひご試聴よろしくお願い致します。