第48回(2018/09/06)
8月の日曜日に高度先導的薬剤師養成プログラム事業の講師として岡山大学に行ってきました。
以前千葉大学におられた岡山大学大学院医歯薬学総合研究科の有吉範高教授に光栄にも講師として任命頂き、漢方のお話をしてきました。お盆の帰省ラッシュ期間であったので新幹線は満員でしたが、東京始発ですので何とか席を確保でき、岡山まで3時間20分でした。
岡山では少し時間的余裕があったので、岡山城、後楽園、林原美術館に行ってきました。
岡山城は天下人となった豊臣秀吉に身内並みに厚遇されて大大名となった宇喜多秀家が築城した城で黒漆喰が特徴で別名烏城(うじょう)ともいわれ、白鷺城の別名を持つ姫路城と対比されることもあります。秀家は関ヶ原の戦いで敗軍の将となり、八丈島に流されます。その後は小早川秀秋が入城し、秀秋亡き後は池田家が入城します。
お盆中でしたが、外国人を含む多くの観光客で大変賑わっていました。時間がなくて、殿様の衣装をきて天守閣で写真を撮れなかったのがとても残念です。
岡山城に隣接する後楽園は池田綱政によって造営された日本庭園で金沢の兼六園、水戸の偕楽園とならび日本三名園と呼ばれています。広い芝生や池、築山、能舞台などもあるすばらしい庭園です。
小石川の後楽園は水戸徳川家の光圀が作庭し「士はまさに天下の憂いに先だって憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ」という中国の儒学の教えから後楽園と名付けています。おそらく岡山後楽園も明治に入り、これにならい後楽園と名称を変更されたものと思われます。それまでは御後園と呼ばれていたようです。最近では夜間の特別開園も開催されているようです。
林原美術館は岡山の実業家だった林原一朗氏が蒐集した日本をはじめとする東アジアの絵画や工芸品、旧岡山藩主池田家から引き継いだ大名調度品を中心とするコレクションによって生まれた美術館です。
私が訪れたときはちょうど「美術館できもだめし?夏休み ちょっとコワイ美術展」が行われていました。キラリと妖しく輝く刀剣「脇指 上総守兼重」や閻魔様など想像上のコワイもの、さらにはコワイほどの超絶技巧の作品である「風神雷神図堆朱盆」や「菊花・虫図皿」までいろいろなコワくてすごいものを見ることができました。こちらも開館時間すぐに訪れたのですが、いっぱいの人でした。
午後から岡山大学鹿田キャンパス内にあるJunko Fukutake Hall(公益財団法人 福武教育文化振興財団 代表理事副理事長 福武純子様寄贈)にて「高齢者に対する日常診療の漢方治療」と題して、これからの高齢化社会に向けて、日常診療でよくみる高齢者疾患に対する漢方治療のお話と、大雨の被害を被った岡山の先生方に少しでも役に立てればと思い、東日本大震災で私が実際に経験した漢方治療の有用性のお話を最後にさせていただきました。
ご質問も多くいただき、無事に講演を終了する事ができました。
ご準備いただいた有吉先生はじめ、先生の教室のスタッフの皆様、お手伝いいただいた学生さん、またお盆休みにも関わらずご参加いただいた多くの先生方に感謝いたします。
また岡山は路面電車が走っていたり、ももちゃりというレンタサイクルや桃ジュースがでてくる蛇口、備前焼など美味しいものや伝統文化など見所満載のとても良いところです。人々も広島弁とは違う(広島の皆様ごめんなさい)優しい感じの岡山弁でとてもほのぼのしています。ぜひ、皆様もいちど岡山に行ってみて下さい。おすすめですよ!!