第7回(2015/04/04)
今日は私の趣味の話をしたいと思います。
いくつかあるのですが、現在も修行中なのが、華道と茶道です。
今日は華道の話をしたいと思います。
華道というとおそらくきれいなお花を色々とりどりに飾る自由花を思い浮かべる方が多いと思うのですが、
他にも古典華(立華、生花)などがあります。
立華は最も古いいけばなの様式でもともとは神仏にお供えする花、すなわち供花(くげ)からきています。
生花は江戸時代に最も完成された様式で簡素で端正な構成とその美しさに大きな特徴があります。
現在、日本では東京オリンピックを控え、農林水産省の提案もあり、花をめでる国、日本を世界にアピールしようということで様々な活動が行われています。
その一つとして、千葉市にも日本の伝統文化を世界に発信したいとの要請があり、第44回千葉市民芸術祭のプログラムの一つとして詩吟、剣詩舞道とともに、華道が取り上げられました。
ご縁があってこの芸術祭で私の師匠である小宮華雪先生と私、來村華隆が華道のデモンストレーションを行いました。
私は生花を生けたのですが、
これがまた普通の華道とは違い、
詩吟とのコラボレーションなのです。
これを華道吟と言います。
これは珍しいものなのですが、詩吟に合わせ、
吟じ終わるまでに生花を完成させるというものです。
私はひとあし先にお花見を楽しんでもらおうと
日本人が愛してやまない桜をいけました。
無事になんとか、12分間に生け終えてほっとしたというのが正直な感想です。
ところで、この華道と詩吟を合わせて楽しむという考え方がとても東洋的なのです。
西洋医学はある植物がたとえば風邪に効果があると分かるとします。
そうするとその植物の中のどの物質が風邪に効果があるのかと探求し、
例えば、柳の枝から下熱剤であるアスピリンを見つけるというものです。
東洋医学はたとえば、葛の根が風邪に良い、またシナモンの桂皮も風邪に良い、
そしたら、それを足して飲んだらもっと風邪に良いのではと、
その組合せのバランスなどを探求し葛根湯という風邪薬の絶妙な配合を見いだします。
詩吟は詩吟で楽しめる、華道は華道で楽しめる、
でも二つを足して華道吟にしたらもっと楽しめるというのが東洋的な発想なのです。面白いでしょう?
ちなみに、書道と華道のコラボレーションの書道吟もありますし、
今回は私たちが華道吟をやっている横ではその詩吟に合わせて剣詩舞道も舞っているという
それはそれは華やかな舞台となりました。
いろいろな良い物を取り入れて新しいものを作り出す文化は
とても面白く日本の世界に誇れる発想だと思うのです。
私も桜だけでなく、桜の向こうには松を入れ、
見越しの松という風情に生化を仕上げました。
また、当クリニックも西洋医学、東洋医学、
患者さんにとって良い物はなんでも取り入れよう、
またそのためにはたゆまぬ勉強を続けていこうと
思っております。
趣味がすこしは仕事にも役に立っているかなという言い訳に
今回のコラムを書いてみました。