第114回(2024/03/15)
皆様、こんにちは。早くもお雛様が終わって3月です。
13年前の3月11日の東日本大震災の日、私は千葉県山武市蓮沼のあきば伝統医学クリニックに勤務していました。そして、その日は月に1度、和歌山県の以前からアルバイトで勤めていた病院の当直と外来のため、東京から新大阪に向かう新幹線の中で地震の一報を聞きました。
そして他の新幹線が運行中止となり僕の乗っていた新幹線が途中の駅で待つ多くの人を各駅停車で乗せて新大阪に着いたのが夜11時前で、急遽、当直の病院に連絡し、当直に間に合わないことを伝え、翌日の外来は無事に診察を終え、千葉に帰りました。千葉駅に着くと駅のガラスは割れ、これは大変なことになったという実感が湧いて来ました。やっとの思いで自宅に着くと、家内と息子は無事でしたが、とても怖い思いをしたことを聞きました。
それから勤務先のあきば伝統医学クリニックに出勤すると、停電中で、大きな余震が何度も来て、九十九里浜の近くのクリニックですので、津波がすぐそこまで来て、海沿いの患者さんは避難していることを知りました。その後3日間は停電が続き、ガソリンもなく、お米や食料品も品薄で買えない日々が続きました。
あれから13年、この間の2月28日に全国規模のウェブ講演会で私が座長で、石川県で頭痛外来をされているキジマあたまのクリニックの木嶋 保先生の講演を開催させていただきました。今回の能登半島地震で、先生のクリニックは大きな被害はなかったものの、道路が寸断され、患者さんが病院に来れなかったり、輪島など被害の大きかった地域から避難されている患者さんの診察をしたりというお話を聞かせていただきました。
今回思ったのは、皆様、ぜひ1週間くらいはお薬の予備を持っておいて欲しいということです。何かあるのは嫌なのですが、もしも何かあった際に1週間は病院に行けなくても何とかなる準備をしておいて欲しいのです。今回片頭痛の注射薬を自己注射にしていたおかげで、病院に行けなくても自分での注射で頭痛発作を乗り切った患者さんもいたということです。内服薬でも予備があれば、様々な理由で受診できなくてもその間、何とか体調を維持して復旧を待って欲しいと思いました。
地震以外にも台風や雪などいつどこで、何が起こるかわかりません。これを避けることはできないとしても、できる準備をして被害を最小限に抑えることはできると思います。最近、千葉でも地震が増えていますね。ぜひ、皆様もできる準備をして、もしもの時に備えておいてくださいね。