第50回(2018/11/06)
10月の日曜日に愛知県の岡崎に行ってきました。
行きは東京から新幹線ひかりで豊橋まで行って、そこから名鉄で東岡崎まで約2時間です。
岡崎は徳川家康の出生の地で、その岡崎城が目の前のホテルに宿泊しました。景色はこんな感じです。
岡崎ではいつもの頭痛やストレスに対する漢方のお話の他に、今回は冷え症に注目してお話をしてきました。西洋医学では冷え症は病気とはとらえられず、残念ながらあまり重要視されていませんが、実は頭痛、肩こり、下痢、むくみ、月経不順、腰痛、頻尿、不眠などの原因には冷え症が隠れていることが多いのです。
逆に言うと冷え症を治療すると上記の症状がとても楽になる患者さんが多くいます。
ただ残念ながら西洋薬には体をあたためるお薬が温湿布以外にはほとんどないのですが、漢方薬には冷え症を改善する方剤がたくさんあり、これは漢方薬の得意技なのです。
もしも体温が1℃下がったら、免疫力は37%低下し風邪や病気にかかりやすく、治りにくくなります。
基礎代謝は12%低下し、1ヶ月で体重が1〜2kg増加します。
体内酵素の働きが50%も低下し栄養の消化やエネルギーの生産力も低下し元気がなくなります。
癌細胞は低体温を好み癌になりやすくなるという論文もあるくらいです。
たかが冷え症と思ってはいけません。とても恐い事に繋がるのです。
冷え症の原因にはどんなものがあるのでしょうか?
1.ストレスや睡眠不足が続くと交感神経が緊張し血管が収縮するため全身に酸素や栄養がいかなくなり熱を産み出す力が低下し冷えにつながります。
2.筋肉は熱を作る器管であるため無理なダイエットや運動不足で筋力が低下すると熱を産み出しにくい体になってしまいます。
3.食生活の乱れで塩分を取り過ぎたり水分をとりすぎるとむくみが生じ冷えやすくなります。また食べ過ぎると消化にエネルギーを使うため低体温の原因となります。甘い物や生野菜、果物も体をひやすため、取り過ぎると冷え症の原因となります。
4.寒そうな服装や冷房が一日中ついている環境にいると冷え症になります。
5.お風呂をシャワーだけですますと冷えやすくなります。
以上が代表的な冷え症の原因です。これらを逆に考えると冷え症の対策になります。
適度な運動で筋肉をつける、甘い物や生野菜、果物を控え、火の通った温かいバランスのとれた食事をこころがける、ストレスをためない、お風呂に湯をためてゆっくり入る、温かい服装や冷えを予防するグッズ(膝掛けやマフラー、レッグウォーマー、カイロ、湯たんぽ)の使用、それでもだめならさまざまな漢方薬を利用して冷え症を予防してください。
私が外来でよくみる冷え症が背景にある患者さんを年代別に見ていくと10代では頭痛、腹痛、めまいで学校や部活を休んでしまう、20代では月経痛やにきび、肌荒れが気になる、30代ではなかなか赤ちゃんができない、40代ではイライラして職場の同僚や子供さんに怒ってしまう、50代では月経も不順で更年期障害のような色々な不調が急に出てきた、60代以上ではトイレが近くて夜も眠れないし、トイレが気になってバス旅行にも行けないなどの患者さんがいますが、これらの患者さんの多くの背景に冷えがあり、冷えをよくすることで10代では勉強も部活もエンジョイ♪、20代では元気できれいに♪、30代ではスムーズな妊娠や安産を♪、40代では子育ても仕事もがんばれる♪、50代では急な不調を苦しまない、更年期を幸年期*に♪、60代以上では介護知らずで老年期を朗年期*に変えていきましょう。
*の幸年期、朗年期はつくばセントラル病院産婦人科の岡村麻子先生の提唱です。
講演も無事におわり、帰りは東岡崎駅で知多名物あんまきをお土産に買って帰りました。抹茶、チーズ、栗、カスタードなどいろいろな味があり、とても美味しいのですが、私のおすすめはあんまきの天ぷらです。
帰りは名鉄で名古屋まで出て、名古屋から新幹線のぞみで約2時間半で帰ってきました。
冷え症でお困りの方はぜひ当院にご相談ください!!