第74回(2020/11/06)
みなさん、今年の梅雨は長く、台風もきたりして雨の日が多かったですね。私の外来でも頭痛やめまいが天気の影響で悪化し、お薬がなくなって受診される方が多かったです。
このような気象の変化によって頭痛や首、肩、古傷の痛み、関節の痛みなどが悪化するものを天気痛と言います。天気痛には痛み以外にもめまいや、気分の落ち込みなどの症状も伴う場合があります。
この原因は気圧の変化が耳の中の三半規管の気圧センサーを刺激し、交感神経と副交感神経のバランスが崩れるためにおこってきます。交感神経が活発になると痛みが生じ、副交感神経が活発になると倦怠感や気分の落ち込みが生じます。このような天気の影響を研究する
天気痛の予防には耳のマッサージや抗めまい薬や酔い止め、漢方薬の五苓散の内服が効果的です。耳のマッサージの実際のやり方はYou Tube でらいむらクリニックで検索していただければ私が実際にやっている動画をみる事ができます。
天気痛を起こしにくくする体質改善にはまずは規則正しい生活とバランスのとれた食事、適度な運動です。これらを心がけることで自律神経のバランスが調い天気の変化の影響をうけにくくなります。
食事としては天気痛は女性に多く、その原因のひとつである貧血の改善によい鉄分を豊富に含むレバーやほうれん草、赤身のお肉やお魚、頭痛予防に良いとされるマグネシウムを多く含む油揚げ、豆腐、きなこ等、自律神経をととのえる亜鉛を多く含む牡蠣、ごま、アーモンド、神経の栄養であるビタミンB群を多く含む豚肉、納豆、うなぎ等もおすすめです。
これらをバランスよくお手軽に摂取したい場合には私が監修した頭痛サプリメントKAMROもおすすめです。
また最近では「頭痛〜る」などの天気の変化と頭痛への影響をお知らせしてくれるアプリなどもあるので、アプリや天気予報を利用し天気が崩れる前の日からは規則正しい生活をして無理をしない、お薬を持参するなどの準備も大切です。
最後に10月に日本に台風14号が上陸した際に、東京 MXの news FLAG で天気痛の特集が組まれ、私が出演しコメントを出す事ができました。これからは台風シーズンも終わり過ごしやすい季節になってきますが、今後も天気が崩れる日には注意して上手にこの天気痛と付き合っていきましょう。それでもつらい場合には先程あげた内服薬や漢方薬もありますので、いつでもご相談ください。