第38回(2017/11/06)
今日は私の好きな車のお話をしたいと思いますね。
私は古い車が好きです。たとえば、トヨタ・スポーツ800、ホンダ・S600、ニッサン・フェアレディーなどです。
これらの車達は古いから中古で安く買えると思ったら大間違いです。現代の新車を買うよりも高く、また維持費も高いため、よほど車が好きな人か余裕のある人達でないと買えない憧れの的です。
私もいつかは乗ってみたいという願望はあるのですが、なかなか難しいのが現状です。
それでも、ついに私も今まで乗っていた2台の車を下取りに出し、3年前に世界に一台しかない念願の車を手にいれました。それがこれです。今のところ1台しか車がないのでどこへ行くにもこの車です。それでよく患者さん達にも「先生の車を首都高で見たよ」とか、「この前の日曜日、ショッピングモールで見たよ」とか言われます。みんな仕事だと思ってくれているようですが、遊びに出かける時も、買い物に行く時もこの車です。
この愛車も3年たちましたので、そろそろ車検です。それで11月の日曜日に車検の予約を入れたのですが、私が予約の電話で「いつもお世話になっております。來村ですが、車検の予約を入れたいのですが?」と、言うと車屋さんが「來村様、お車、ピンクのタントでよろしかったですか?」と言われ、ちょっと恥ずかしい思いをしますね。中年のおっさんが、「ピンクのタント」なのですからね。
ところで車を車検に出すとエンジンオイルやブレーキオイルの交換、ワイパーの具合、足回りのcheck、エンジンのcheck、ライトの具合など総合的に見て、「これでまたしばらく乗って頂いても大丈夫です」といって車が返ってきますよね。車の整備士さんは車を総合的に見てくれますが、今の医療はどうでしょうか?良い、悪いは別にして専門科が多すぎて片寄った医療になっているのではないでしょうか?例えば、循環器の先生はエンジンだけをみて、整形外科の先生は足回りだけをみて、脳外科の先生は車載コンピューターだけをみているという具合です。総合的に整備士さんのように人間全部をみてコーディネートしてくれる先生達が不足しているように思われます。
私の師匠である寺澤捷年先生は岩波新書から「和漢診療学 あたらしい漢方」という本を出されています。その本の帯には「人間の体は部品の寄せ集めではない。」と書かれています。今、そういう問題に気付いて総合診療科や家庭医などの制度も出来て、これから人間を総合的に診てくれる医師達が増えてくるという現状です。
昔のかかりつけの先生は今でいう総合診療科や家庭医だったはずです。それが医学の進歩と共に、とても一人の医師では対処仕切れないほど多くの知識と技術が必要となったため、やむなく専門分化する方向に至ったのかもしれませんが、それが行き過ぎて、現在揺り戻しというか、また昔のかかりつけ医のような先生達が必要とされているのだと思います。
漢方の先生達は全身をみています。そして必要があれば専門科を紹介します。私も元々は専門科です。脳外科で頭痛専門医です。しかし、それでは治せない頭痛の患者さん達がいることに気付きました。すなわち全身をみて食欲やお通じ、睡眠や月経など全身の調子を整えることでやっと和らいでくる頭痛の患者さんもいることに気付き漢方を取り入れ始めました。だから、まだまだかかりつけ医としては勉強段階です。皆様と一緒に専門科の先生達に教えを請いながら、私も成長し、そのことを叉皆様に還元できればと思っています。だから、私が「何々科を受診してみましょう?」と言った時は嫌がらずに一度は受診してきてくださいね。皆様も、私も安心で勉強になります。また私が勉強になったことは必ず還元するようにしていきます。
皆様も車検をうけて、寿命まで快適な人生のドライブを満喫されて下さい。私も安全に車をドライブできる年数が限られて来ていますので、そろそろ思い切って欲しい車を買おうかなと思っていますが、乗る時間が無いかな?そんな事を書きながら、実は私は移動には電車に乗るのも大好きなのです。その理由はまた今度機会があれば書きたいと思います。
千葉市の検診の期限は来年2月までです。まだお済みでない方はぜひ、期限内に検診をうけて下さいね。私も受けましたよ。