第26回(2016/11/07)
11月にはいり、急に寒くなって来ましたね。
10月までは冷房をいれていた当院も冷暖房を使わなかったのは2,3日で今は暖房をいれています。
なんとなく秋がほとんどなくて夏から冬になった感じです。
ところが寒くなったこの季節でさえ、暑くてとつぜん汗をかいてしまう患者さん達がいます。だいたいは45歳から55歳くらいの女性の方です。そうです、もうおわかりですね。いわゆる更年期障害の症状です。
更年期とは閉経を挟んだおよそ10年間を指しますが、その間に顔のほてりやのぼせ(ホットフラッシュ)、異常発汗、手足の冷え、倦怠感、頭痛、肩こり、動悸、不眠、不安、イライラなどの症状で日常生活に障害がでれば更年期障害となります。
これは卵巣から分泌されているエストロゲンの量が減少し、そこに心理的な問題やストレスが加わることで、さまざまな身体的、精神的な不調が現れるものです。
更年期障害の治療にはホルモン補充療法がありますが、乳癌や子宮癌、血栓症のリスクが増加する場合もあり、使用できる人とできない人があります。
その他の薬物療法としては実は漢方薬も更年期症状の改善には有効です。
また生活習慣を改善することにより症状が軽くなる場合もあります。規則正しい生活や適度な運動、良質な睡眠をとり、うまくストレスを解消することも大切です。食事では大豆に含まれるイソフラボンが女性ホルモンと似た働きがあることが知られています。
現在、日本人女性の平均寿命は86.8歳となり閉経後の人生は女性の寿命の3分の1を占めます。
たかが更年期と甘くみずに、更年期をうまく乗り切り、その後の人生を健康で充実したものにするようにしましょう。当院でも生活指導や漢方治療でお手伝いできれば幸いです。