暗黒の時代から希望の時代へ|千葉市若葉区千城台の内科・外科・脳神経外科・漢方内科(保険診療)のらいむらクリニック

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第81回(2021/06/06)

暗黒の時代から希望の時代へ

皆さんこんにちは。コロナウイルスのワクチン接種が始まりましたね。私も2回接種を受けて、副反応もなく元気にしております。2000年前に中国で多くの人の命を奪った傷寒、また第一次世界大戦中に多くの死者を出したスペイン風邪、いずれも人類は無事に乗り越えることができました。きっとコロナウイルスも乗り越えられると思います。

今月のコラムはコロナウイルスのお話ではなくて、片頭痛の新しい治療薬のお話です。今から20数年前、私が脳外科医になった頃のお話です。その当時片頭痛の治療薬は解熱鎮痛剤や現在は発売中止となったエルゴタミン・カフェイン配合製剤などしかなく、頭痛や吐き気を訴えて受診された片頭痛の患者さんは入院をさせて点滴をして寝かせておくだけの治療が行われていました。

一部の脳外科医にとって片頭痛の患者さんは検査で異常がなく、手術をしなくても良いのに、救急で受診して手を患わせる患者さんで、できればみたくない存在、頭痛外来などのめんどくさい外来は誰かにやらせておけば良い的な雰囲気で患者さんにとっても頭痛外来をやっている医師にとっても暗黒の時代でした。

それからしばらくして2000年にトリプタン製剤という片頭痛の特効薬が出ました。このお薬は脳の中のセロトニン受容体に作用して、頭痛の原因となる神経伝達物質の放出を抑制し、片頭痛発作を鎮めるお薬です。しかし、鎮痛薬ではないため頭痛発作早期に内服する必要があり、また眠気やだるさ、胸内苦悶感などの副作用がでる人もあるのですが、合うトリプタン製剤をうまく活用すれば片頭痛の発作自体が軽くすみ、とても画期的なお薬でした。ただ、頭痛を起こさないようにするため予防的には使用できず、あくまで発作が起きたら使用するお薬で、このお薬も飲み過ぎるとお薬の使用過多による頭痛がおきる危険性がありました。

そして今年の4月21日についに片頭痛を起こす原因であるCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)をブロックし片頭痛自体を起こさなくする画期的な予防注射薬エムガルティが保険適応となりました。このお薬の特徴は片頭痛の原因に効き、効果が早く、しかも予防効果が高く、そして副作用が少ない本当に待ち望まれていたお薬です。エムガルティを使用した6割近くの方が1ヶ月あたりの頭痛頻度が半分に、3.3割の人が75%以下に、1.1割の人が1ヶ月に1度も頭痛が起きなかったというデータが出ています。

反応率

副作用の頻度は27.4%ですが、その内容は注射部位の疼痛、紅斑、そう痒などの軽微な反応でその他はめまい、便秘、じんま疹の副作用が1%未満、重大な副作用としてはアナフィラキシーがありますが、投与を中止し適切な処置を行うというのは他の注射薬と同じです。因果関係がある可能性として様々な症状で投与を中止した症例はわずか1.7%というデータが出ています。

安全性

皆さん、頭痛がない日々を想像してみてください!!片頭痛の患者さんはイベントなどで頭痛がおきて、周りの人に迷惑をかけたり、また人との約束をする事が頭痛のせいでおっくうになり、自分自身で自分の生活を制限しています。頭痛がなくなれば、遠慮なくお友達や家族と約束をして、好きなイベントに行ける、もう我慢や制限をしなくても良い普通の生活が送れるようになるのです。

こんなすばらしい注射薬が使用できるようになり、患者さんにとっても、それを使用して治療をしてあげられる医療者にとっても本当に夢のような時代がやってきたのです。20数年前の暗黒の頭痛外来の時代から患者さんと共に喜べる希望の頭痛外来の時代がやってきたのです。

ただ、このお薬は誰でも使用できるというものではなく現在の所以下の制限があります。まずは使用できる医師の条件です。

  • 医師免許取得・初期研修修了後に、頭痛を呈する疾患の診療に5年以上の臨床経験を有している。これに該当し、かつ以下の2から5のいずれかの専門医を持つ医師に限定されます
  • 日本神経学会認定の専門医
  • 日本頭痛学会認定の専門医
  • 日本内科学会(総合内科専門医)認定の専門医
  • 日本脳神経外科学会認定の専門医

そして次ぎに使用できる患者さんの条件です。次の1から4のいずれかに該当する患者さんです。

  • 非薬物療法および片頭痛発作の急性期治療等を既に実施している患者で、それらの治療を適切に行っても日常生活に支障を来している
  • 我が国で既承認の片頭痛発作の発症抑制薬のいずれかが、効果が十分に得られず使用・継続ができない
  • 我が国で既承認の片頭痛発作の発症抑制薬のいずれかが、忍容性が低く使用・継続できない
  • 我が国で既承認の片頭痛発作の発症抑制薬のいずれかが、禁忌・副作用等の観点から安全性への強い懸念があり使用・継続できない

という制限があり、初回に2本注射後、月に1本の注射を継続し3ヶ月の時点で効果がなければ中止するという条件があります。

皆様の気になるお値段は薬価(注射薬の値段のみ)は1本約4万5千円前後となります。それに診察料がプラスされ、その保険負担割合、一般的な3割負担の患者さんだと初回の注射時に約3万円、その後は月に1万5千円前後の費用がかかる事になります。

また現状では上記の使用できる資格をもった専門医数は全国で約4万8千人ですが、実際にエムガルティを使用する医師は1000人足らずで、千葉市では当院を含めたった2施設しかない状況です。私が臨時採用を申請した千葉中央メディカルセンターでも使用が間もなく開始されるため、それを含めてもたったの3施設となっております。

上記条件にあてはまり、頭痛でお困りの方で注射薬の治療を試みたい方はご遠慮なく私にご相談ください。皆さんの経験やデータがまた頭痛治療で困っている方や注射薬の治療に不安をもっている方々を安心できる希望の時代へと導く事ができると確信しております。ぜひ、ご一緒に頭痛を乗り越えて行きましょう!!

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