第59回(2019/08/06)
6月の末に京王プラザホテルで行われた第70回の日本東洋医学会学術総会に行ってきました。
クリニックは金曜日から臨時休診とさせていただき、皆様にはご迷惑をおかけしました。その分しっかりと勉強してきましたので、また診療に還元したいと思います。
同時並行で色々なプログラムがあるため、全部を聴くのは無理なのですが、初日は北里大学東洋医学総合研究所名誉教授の花輪壽彦先生の講演「現代漢方医学の礎を築いた北里の先輩たち」と野中郁次郎先生による特別講演「暗黙知と形式知」を拝聴しました。
今回の学会の会頭の花輪先生から北里大学東洋医学総合研究所のこれまでの所長であった大塚敬節先生、矢数道明先生、大塚恭男先生、岡部素道先生のエピソードを聴くことができました。野中先生からは一般的に言葉や論理で説明できる形式知と言語や文章で表現するのが難しい暗黙知があり、これらふたつの境界は動的で明確に分離することは難しく、両者をうまく発展させ暗黙知から形式知へ、形式知から暗黙知へという相互変換を繰り返して新しい価値を創造することが大切とのお話を聴くことができました。
翌土曜日は植芝守央先生から「合気道とは」という演題名で合気道の発祥からこれまでの歴史についてお話いただき、今後の漢方の発展、普及にも活かせる事が多い内容でした。
日曜日は漢方薬の副作用に関するシンポジウムと生薬シンポジウム「漢方薬利用の近未来」を聴いてきました。漢方薬にももちろん副作用はあるのですが、その注意すべき点や対処法などを聴くことができてとても勉強になり、今後の診療にも活かしていこうと思いました。また最近の研究により悪性腫瘍に対する麻黄湯の効果やウイルス感染症に対する麻黄関連製剤の効果など新しい生薬治療の可能性のお話を聴けてとても勉強になりました。
そして最終日にはあかし出版のブースで自分の書いた本「頭痛専門医・漢方専門医の脳外科医が書いた頭痛の本」を手売りしてきました。ブースに来て頂いた先生方、また本をお買い上げ頂いた先生方や関係各所の方々に感謝申し上げます。
私にとってはとても実りの多い3日間でしたのでまたこの知識を日々の診療に役立てる事ができるようがんばります。最後にクリニックの臨時休診にご協力いただいた患者さまにも感謝申し上げます。