秘密の熱中症・夏ばて対策のお話|千葉市若葉区千城台の脳神経外科・漢方内科(保険診療)のらいむらクリニック

脳神経外科・漢方内科(保険診療)らいむらクリニック

043-312-5620 受付)8:00~12:00 15:00~19:00

〒264-0004 千葉市若葉区千城台西2丁目1−3
千葉都市モノレール千城台駅改札よりすぐ

  • 診療時間
  • アクセス
  • 問診票ダウンロード
  • 求人情報

第23回(2016/08/06)

秘密の熱中症・夏ばて対策のお話

8月に入ってやっと梅雨もあけましたが、これから本格的に暑い日が続きます。
この季節気をつけないといけないのが熱中症です。
屋外での運動や作業中が危険と思われがちですが、高齢者や若い人でも体力が衰えている場合には車中や家の中でもおこる可能性があります。

熱中症の症状は食欲の低下や足がつるなどの軽度のものから頭痛、吐き気、全身の倦怠感などをしめす中等度のもの、けいれんや意識障害などを生じ場合によっては命の危険もともなう重度のものまで様々です。
対処法としては高温下での運動や重労働は控える、扇風機や冷房を上手に使用する、水分や塩分、ブドウ糖などを含んだ経口補水液などでこまめに水分補給をすること、バランスのとれた食事でタンパク質やミネラル、ビタミンをとることです。

それから私の秘密の夏ばて対策をお教えしますね。それはお風呂に入ることなのです。
暑いからといってシャワーですませずにバスタブにお湯をためて入浴することが大切です。
これは汗をかいて、また暑さに体を慣れさせるという意味と冷房で冷えた体をあたため血行をよくし、疲労を回復させる作用があります。

少し前の話になりますが「テルマエ・ロマエ」という映画を観てきました。
これは古代ローマ帝国の浴場設計技師が、日本の銭湯にタイムスリップし、日本の風呂の文化に感銘を受け、そこで得られたアイデアを古代ローマに持ち帰り一躍有名になっていくというとても面白い映画でしたが、その中でも戦闘で傷ついたローマ兵を温泉施設で癒す場面がでてきます。
このようにローマ帝国時代でも「湯」は健康法として認められていたのですね。

風呂

また我が国でもその昔、湯熊灸庵(ゆのくまきゅうあん)とあだ名された名医がいました。
この名医とは「百病は一気の留滞から生じ、順気をもって治療の綱要とすべきという“一気留滞説”」を唱えた後藤艮山(ごとう・こんざん)(1659−1733)先生です。
後藤艮山先生は古方派(漢方の流派のひとつ)の祖とされている人物ですが、必ずしも傷寒論(しょうかんろん:漢方の教科書のような本の名前です)のみを金科玉条とせず、唐代の医方からいわゆる民間療法(今で言うself medication)である温泉、熊胆、灸、番椒(ばんしょう=とうがらし)などの民間薬を多用したことでも有名です。そのことから湯熊灸庵というあだ名がつけられたのですね。

また後藤艮山先生は湯治だけでなく、食事療法や運動療法も推奨されています。
赤蛙やカワウソ、鰻などを食して身を養うことをすすめ、一回の肉食は十回の野菜や三服の薬よりも大益があること、脳卒中などで身体が不自由になったものは安居するだけではいけない、人に助けられても、よく運動を行えば、天寿を全うできるものだということなども艮山先生の弟子が書いたとされる『師説筆記』に出てくるのです。

この『師説筆記』を読むと、艮山先生が今日でいう「未病」を治す、すなわち病気になる前の養生が第一という点がいたるところで述べられていて、現在でも全く色あせないどころか、現在こそ重要視しないといけない大切な点が述べられているのですね。

ところで現在では日本全国の有名な温泉の成分の入浴剤を簡単に入手することができますし、その他にもいろいろな種類の薬用入浴剤があります。オリンピック選手でも入浴剤を海外にもっていくというくらいですから入浴剤の効果はすごいのですね。
もちろん現地に行ったわけではありませんが、先日は私は登別の湯に入りました。このように皆様も入浴剤やたまにはお風呂にお湯をためてゆっくり入浴することで夏ばてを解消されてください。
それでもおつらい場合には夏ばて解消の漢方薬もありますので、ご遠慮なくご相談ください。

水うちわ

当院では冷房の設定が28度のため、中には暑く感じる方もおられると思いますが、そのような方のために扇子をご用意しておりますのでご遠慮なくお使いください。
私も診察室では岐阜で購入した水うちわを使用しております。扇子、うちわで暑さを仰ぎ飛ばしてこの夏を乗り切りましょう。

過去の院長コラム
学会と医師会の会議に行ってきました
クリニックにあるあれは何?
パリオリンピック素晴らしかったです!!
第74回東洋医学会に行ってきました
お金持ちよりお種持ち
がんばらない小さなクリニックの経営戦略 講座化決定!!
医療DXについて
もしもの備えを!!
今年チャレンジしていること
あけましておめでとうございます
頭痛学会に行ってきました
1日5回〇〇するだけで幸福になれる!!
千葉シティトライアスロン無事完走しました
朝霧高原にリトリートに行ってきました
七夕LIVEやりました!!
今年も七夕やります
第73回日本東洋医学会学術総会に行ってきました
アベマニュースに生出演しました
ヨーロッパの頭痛診療のガイドライン
桜咲く
頭痛の日
2022年を振り返って
頭痛学会で発表してきました
トライアスロンのお話
片頭痛の注射薬の医療費の助成制度のお話
色々なことの途中経過のお話
すごいものに申し込んでしまいました
七夕のお話パート2
梅雨の不調のお話
新しい片頭痛薬の続報
この世界の未来を考えよう!
stnad.fmのコラボ特集です
またまた新しい片頭痛のお薬が発売!!
今年の抱負
2021年を振り返って
志を立てました
今、頭痛診療が熱い!!
出来ない事は考えない、出来る事をいつも考えている!!
日本のメダリスト!!
聖火リレーのお話
暗黒の時代から希望の時代へ
マルナゲドン
エイプリルフールとエイプリルドリームのお話
らいむらクリニックの社会貢献活動10のミッション
戦国時代にスマホがあったら?
2021年、新年あけましておめでとうございます
今年1年を振り返って
天気痛のお話
コロナ禍での健康維持のお話
これからのクリニックについて
コロナウイルス対策について(その2)
当院のミッションとビジョン、バリューのお話
熱中症のお話
笑いの効用
新型コロナウイルスについて
お正月からどきどきした話
年末のご報告と新年のご挨拶
未来の脳神経外科医のお話
大雨のお話
台風で思った事
久留米と広島に行ってきました
日本東洋医学会学術総会に行ってきました
浜松に行ってきました。パート2
姫路に行ってきました
旭川に行ってから東京で勉強してきました
出陣してきました
ついに分かりました
馬力をつけてきました
あけましておめでとうございます
うどん県にいってきました
岡崎に行ってきました
福井に行ってきました
岡山大学に行ってきました
浜松に行ってきました
体調管理にご注意を!!
秩父に行ってきました
最近知った衝撃の論文のお話
三重に行ってきました
花粉症の話 パート2
インフルエンザのお話
戌年のお話
発表してきました。
車のお話
信州に行ってきました。
うさぎさんのお話
らいむらクリニックと茶道
花戦さ
行ってきました!!
私の趣味のお話パート2
突然壊れるととても困る物のお話
青森に行ってきました!!
桜咲く!!
酉年の話
風邪を治せば一人前!!
寒いのに暑い?
秋深き隣は何をする人ぞ
片頭痛患者さんの予知能力のお話
秘密の熱中症・夏ばて対策のお話
七夕のお話
らいむらクリニックの忘れ物のお話
柏餅のお話
千葉にきて驚いたこと
花粉症の話
オニの話
お正月から悪口の話
豚が走る病気の話
鍋料理のお話
ハロウィンとカボチャのお話
菊の節句のお話
お盆のお話
梅干しの話
らいむらクリニックの神様の話
端午の節句はもともとは女の子の節句?
私の趣味のお話
桃のお話
冬来たりなば春遠からじ
宮中行事で邪鬼祓い!!
らいむらクリニック、開院
クリニックの内装について
らいむらクリニックのロゴマークについて