第115回(2024/04/15)
皆さん、こんにちは。最近よく聞くDXって何なのでしょうか?
DXはDigital Transformationの略です。それならDXではなくて、DTじゃないか?と思う方もいると思います。英語圏ではTransのことをXと表す慣習があるため、DTではなくてDXだそうです。
このDXの目的は企業がビッグデータなどのデータとAI(Artificial Intelligence:人工知能)を始めとするデジタル技術を活用して、業務プロセスを改善していくだけでなく、製品やサービス、ビジネスモデルそのものを変革するとともに、組織、企業文化、風土をも改革し、競争上の優位性を確立することだそうです。
そして医療業界にもこのDX化の波が押し寄せてきています。なぜなら、これは国の施作だからです。
厚生労働省のホームページには、医療DXとは、保健・医療・介護の各段階(疾病の発症予防、受診、診察・治療・薬剤処方、診断書等の作成、診療報酬の請求、医療介護の連携によるケア、地域医療連携、研究開発など)において発生する情報やデータを、全体最適された基盤(クラウドなど)を通して、保健・医療や介護関係者の業務やシステム、データ保存の外部化・共通化・標準化を図り、国民自身の予防を促進し、より良質な医療やケアを受けられるように、社会や生活の形を変えることです。世界に先駆けて超高齢社会に直面する中、国民の健康寿命の延伸を図るとともに、社会保障制度を将来にわたって持続可能なものとし、将来世代が安心して暮らしていけるようにしていくことが、今後の我が国の継続的な発展のために不可欠です。と書かれています。
皆さんも最近では検査を受けたら検査結果をフィルムではなくてデータをCDで受け取ったりしていると思いますが、これもDXの一つです。また国の発表では今年12月からは新しい保険証は発行せず、マイナンバーカードに移行することも発表されています。私は医師会でもこの医療DXについて勉強する会議にも出席しています。当院でも賛否両論はあると思いますが、診察券をなくし、スマートホンで受付をするスマート診察券や、マイナンバーカードの顔認証システムの導入、Web予約システム、電話の自動応答、LINEでの診療スケジュールのご案内や予約のリマインドのお知らせなどを取り入れています。何もかも機械が良いと思っている訳ではないのですが、人手不足のため、やむを得ず、このDX化に皆様のご協力を頂きたいという部分もあります。
しかし、一方でこんな患者さんもいらっしゃいます。病院の機械の自動血圧計で血圧を測ると高く出るが、当院でマンシェットの昔ながらの血圧計で測ると血圧はそんなに高くないという人もいます。話をしながらリラックスして血圧を測る方が、正確な値が出る人もいるのですね。
また震災などで診察券やお薬手帳がなくなった場合でも、患者さんのこれまでの医療の情報がわかる、クリニックでの待ち時間が少なくなる、お薬の重複や副作用の頻度を減らせるなどのメリットもありますね。機械で良いものは出来るだけDX化し、その分、人間じゃないとダメな部分はより人間がやるという適材適所の方針でやっていきたいと思いますので、今後ともご協力よろしくお願い申し上げます。ご興味があれば、一度厚生労働省のホームページを覗いてみてください。