第111回(2023/12/12)
皆様こんにちは。
易経に君子は、学をもってこれを集め、問いをもってこれをわかち、寛をもってこれにのぞみ、仁をもってこれを行う。これが学問の語源だと言われています。
という事で、12月の1日、2日にパシフィコ横浜で行われた日本頭痛学会に参加してきました。土曜日は東洋医学シンポジウムで頭痛診療における問診の大切さを発表してきました。
当院を受診されている患者さんはご存知だと思いますが、当院では頭痛の問診票の他に、漢方の問診票があり、頭痛以外のことも詳しく聞かれます。一見頭痛と関係がない、冷えや好きな食べ物などの情報も実はとても頭痛を治療する上で重要なのだということを発表させて頂きました。
また日曜日は市民公開講座で頭痛領域ではとても有名な先生方とご一緒させて頂きました。
今回の市民公開講座のテーマは「楽しく学んで、片頭痛とおさらばしよう!」というテーマで埼玉国際頭痛センターの坂井文彦先生の座長の元、今学会の会頭である埼玉医科大学脳神経内科の山元敏正教授の挨拶の後、埼玉医科大学神経内科の光藤尚先生が「片頭痛の原因と上手なお薬の飲み方」を間中病院の間中信也先生が「片頭痛持ちが歴史を動かす〜卑弥呼から樋口一葉まで〜」を僕が「頭痛に対するお茶の効用」をよみうりランド恵友病院の荒木信夫先生が「やってみよう!頭痛体操」を埼玉精神神経センターの税所裕子先生が「頭痛の患者さんをサポートするJPACの取り組み」についてお話をしました。
僕は、喫茶養生記を書いた栄西が、3代鎌倉将軍の源実朝の二日酔いの頭痛をお茶で治したということが鎌倉時代の歴史書の吾妻鏡に書いてあることや、1日3杯くらいまでなら緑茶やコーヒーでカフェインを取ることが頭痛を楽にするが、飲み過ぎはカフェイン中毒による頭痛になることなどをお話しさせて頂きました。ご参加頂いた皆様からも多数の質問も頂き、大変盛り上がった会となりました。
中でも僕がとても面白かったのは座長の坂井先生が、間中先生のことを「間中先生は頭痛領域の水戸黄門のような先生だ!!」とご紹介された事です。光栄にも黄門様に従う助さん格さんではないのですが、お隣でご一緒に写真を撮って頂きました。とても楽しく勉強できた頭痛学会でした。またこの学会で得た知識を皆様の診療にも役立てたいと思います。
来年には新しい片頭痛のお薬や神経を電気刺激する事で頭痛を和らげる装置なども出る予定です。現在の治療でも頭痛が辛い方も新しい治療法が出てきますので、申請が通り、これらの治療が使えるようになれば、お知らせしますので、またご相談させてください。頭痛治療の未来は明るいと思いました。