第42回(2018/03/06)
早いもので2月が過ぎてもう3月です。インフルエンザも少し落ち着きつつあり、温かい日もでてきました。
過ごしやすい季節になってきたなと思いきや、私も含めて、2月末くらいより花粉症の患者さんがそろそろいらしています。
以前にも花粉症の話で書きましたが、今は色々な良いお薬がでてきています。
鼻水、目のかゆみを引き起こすヒスタミンの作用をブロックする抗ヒスタミン薬、鼻づまりの原因となる鼻粘膜の腫れを引き起こすロイコトリエンが免疫細胞から放出されるのを抑制するロイコトリエン受容体拮抗薬、アレルギー症状を引き起こすヒスタミンやケミカルメディエーターがでるのを抑制するケミカルメディエーター遊離抑制薬、鼻に噴霧し、鼻粘膜の血管を収縮させ粘膜の腫れを取り除く血管収縮薬、症状が強い場合には免疫反応自体を抑制するステロイド薬、長期にわたり、特定の抗原を投与することで免疫の反応を減弱していく抗原特異的減感作療法などです。
以前はこの減感作療法は特定の医療機関でしかうけられませんでしたが今年から当院でも正式な認可をうけて減感作療法であるスギ花粉舌下免疫療法が可能です。
スギ花粉舌下免疫療法はスギ花粉アレルギーに対する現在唯一の根本的治療です。
適応は、通常の薬が効きにくい重症の方、西洋薬の治療で眠気などの副作用が出やすい方、スギ花粉症を根本的に治したい方です。定期的にアレルギーの原因のエキスを舌下に入れて、アレルギーが起きにくくなる特別な免疫を付けます。費用は通常のアレルギー薬よりも安く、成功率はスギ花粉では約80%です。
副作用としては、皮膚や口の中のかゆみと発赤などがでる場合や、ごく稀に喘息の発作や軽いショックがおこることなどがあるため、初回投与は院内で行い経過を観察します。それで大丈夫な方が適応となるのですが、これはスギ花粉の飛散が治まった季節から始める必要があるため、今の花粉症には残念ながら間に合いませんね。
抗アレルギー薬で眠気がでるため運転の仕事など、仕事の都合上眠気がでては困る患者さんや舌下免疫療法を希望する患者さんもご安心ください。漢方薬は眠気の副作用がなく速効性があるため、花粉の飛散がおさまるまで漢方治療を行い、花粉が治まれば根本治療である舌下免疫療法を受けられてもよいかもしれませんね。
ところで我が家では私だけではなく、どうやらチワワの華ちゃんも花粉症のようです。窓際でひなたぼっこをして部屋にもどってくると鼻と涙でぐしゅぐしゅです。犬にも花粉症があるのですね。そんな華ちゃんはペット用の目薬を嫌がるため、仕方なく目薬をぺろぺろとなめさせています。
早く花粉の季節が終わって欲しいですね。私もしばらくは漢方を飲みながら目薬をさしてマスクと眼鏡の完全防護で外来をする日々が続きますね。今回のおまけに華ちゃんがお尻がかゆいとき?の歩き方とそれを見つかった時の反応が面白いので載せておきますね。名付けて華ちゃんのお尻歩きです。お楽しみください!!