第47回(2018/08/06)
7月の日曜日に浜松に漢方の講演に行ってきました。
浜松まで東京から新幹線で1時間10分くらいととっても近いのですね。
まずは浜松駅に降りるとスズキの新型ジムニーとヤマハの歴史有るピアノがお出迎えしてくれます。スズキやヤマハの本社は浜松にあるのですね。
土曜日の仕事が終わってから浜松に向かったのですが、11時前にはホテルに到着しました。
ホテルはグランドホテル浜松です。
浜松は徳川家康の拠点があった浜松城(別名出世城とも呼ばれます)が有名ですが、NHKの大河ドラマにもなった女城主直虎の居城跡の井伊谷城趾も浜松にあります。それにちなんでホテルの朝ご飯は天守の朝餉(あさげ)と名付けられ、ホテルの12Fから富士山、太平洋を一望しながら、家康公所縁の品をいただけます。
戦陣食の定番である握り飯は「常勝結び」、
武将達が出陣の際に食した湯漬けからきた静岡特産のお茶を使った「出陣茶漬け」、お粥にいれる鰹節も「勝男武士」と表記されているくらいです。その他にも鷹狩りを愛した家康公にちなみ、野鳥・鴨肉などゆかりの食材を使った闘将・家康公カレーや直虎カレーもありますよ。
家康公は自ら薬を調合されるほど健康に留意し、その知識も豊富でした。
そんな家康公が鷹狩りの際に訪れた村の庄屋から教えられた健康長寿の食材が山椒です。これは現在でもお腹の調子を整える大建中湯にも配合される生薬です。
家康公は漢方に詳しいばかりではなく、今で言う食事療法も行っていました。
「不自由を常と思えば不足なし。こころに望みおこらば困窮したる時を思い出すべし」との御遺訓の一節にもあるように常に白米ではなく麦飯を食していました。その当時は原因は分かっていませんでしたが、ビタミンB1の少ない白米ばかり食べるとビタミンB1不足で脚気になってしまいます。その当時江戸で白米が流行したため「江戸患い」と呼ばれました。
また鷹狩りは運動にもなることから、家康公は食事療法、運動療法、漢方治療を取り入れて当時としては長生きの75歳まで生きました。無くなる3ヶ月前まで鷹狩りに行くくらい元気だったのです。
私も出陣茶漬けと家康公カレーを食べてから講演に出陣しました。おかげさまで多くの先生方に参加していただき、漢方の概論、頭痛に対する漢方治療、現代社会のストレスに対する漢方治療のお話をさせていただきました。質問も多くいただき、私も大変勉強になりました。せっかくのお休みに朝からご参加いただいた先生方、講演の準備をしてくれたスタッフの皆様に感謝いたします。
浜松にはほかにも小堀遠州が作庭した国の名勝指定されている庭園や左甚五郎作の龍の彫刻がある龍譚寺(りょうたんじ)や東海地方最大級の鍾乳洞である竜ヶ岩洞(りゅうがしどう)などもあります。今回時間がなくて龍譚寺に行けなかったのがとても残念なのですが、次回浜松に行く機会があるときはぜひ、訪れてみようと思います。
そして帰りはもちろん夜の御菓子うなぎパイをお土産に買って、とても美味しいうなぎ弁当を食べながら帰ってきました。ところでどうしてうなぎパイは夜の御菓子なのか知っていますか?実は夜の一家団欒のひとときをうなぎパイで過ごしてほしいとの社長の思いからつけたキャッチフレーズなのだそうです。ただ、うなぎパイ6本分に含まれるビタミンAは、うなぎの蒲焼き100gに含まれる量に相当し、元気回復、夏ばて対策、視力保持の効果も期待できるそうですよ。ぜひ、皆様も浜松に行ってみてください。